賃金引き上げに向けた取組事例
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CASE STUDY 68
賃上げ取り組み事例 -
株式会社新月堂
文房具、事務用機器、木製家具の販売、オフィスソリューション事業など
2026/4/23
明治初年に創業した老舗文房具店、“暮らし”と“はたらく”を支える
働き方改革推進支援助成金を活用し、労働時間短縮と5%の賃上げを実現従業員が安心して働ける環境作りを支える設備投資への挑戦
- 企業データ
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- ●代表取締役:川股 隆宏
- ●本社所在地:山形県天童市
- ●従業員数:14名
- ●設立:1868年(明治元年)
- ●資本金:1,000万円
- ●事業内容:文房具、事務用機器、木製家具の販売、オフィスソリューション事業など
(店舗正面)
(同社には2万点以上の文具が並ぶ)
明治初年に創業した老舗文房具店、“暮らし”と“はたらく”を支える
同社は、明治初年に和紙・筆・墨などを扱う文具店として創業した企業であり、100年以上にわたり山形県内の学習・ビジネス環境を支えてきた老舗である。筆記具や事務用品に加え、オフィス家具まで幅広く取り扱うことで、地域の多様な需要に応えてきた。また、地元キャラクター「こま八くん」のオリジナルマスキングテープをはじめ、近年は世界的家具メーカーである天童木工と三菱鉛筆とのコラボ商品である「ジェットストリーム」を販売するなど、地域に根ざした商品展開を行っている点も大きな特徴である。一方で、手作業による業務が多く、時間外労働の状況がなかなか改善できなかったことに加え、同社にはパート従業員が多く在籍しており、最低賃金の引上げによる人件費増や、いわゆる“年収の壁”による就業調整などの課題も抱えていた。このため、業務を効率化し、従業員が働きやすい環境を整備することが課題となっていた。
働き方改革推進支援助成金を活用し、労働時間短縮と5%の賃上げを実現
同社では従来、入荷商品の確認、売上情報の収集、在庫管理といった作業を2人1組で行っていた。文具や紙製品など約2万点以上の商品を扱う中で、手作業による伝票記入・集計、レジデータの回収、専用PCへの入力といった工程が必要であり、1日あたり2時間の業務負担となっていた。特に年1回の棚卸しは従業員の負担が大きく、月60時間を超える時間外労働が発生することもあった。
こうした状況を改善するため、同社は令和2年度のレジスター更新による効率化の実績を踏まえ、働き方改革推進支援助成金を活用した設備投資に踏み切り、ハンディターミナル(業務用PDA)を導入した。その結果、バーコードで読み取った商品情報を管理システムへ直接反映できるようになり、従来の手書き集計や入力作業が不要となった。また、プライスカード出力にも対応したことで、値札作成や貼り替えといった作業も大幅に削減でき、作業効率化にもつながった。さらに、管理システム・ハンディターミナル(業務用PDA)・レジが連携したことで、管理用PCへ戻らずとも商品登録や在庫管理が可能となり、作業効率は飛躍的に向上した。結果として、1日あたり約30分の作業時間を短縮し、従来2人で対応していた業務を1人で遂行できるようになった。
加えて、働き方改革推進支援助成金には賃上げした労働者数や賃上げ幅に応じて助成額が加算される仕組みがあることから、同社はこれを活用し、従業員6名の賃金を5%引き上げ、より多くの額で助成金を受給した。
(働き方改革推進助成金により導入したハンディターミナル(業務用PDA)、管理システム)
従業員が安心して働ける環境作りを支える設備投資への挑戦
16代目の代表取締役川股隆宏氏は、「在籍している従業員の方々に安心して働いて頂けるような環境整備に努めて頂きたい。長い目で見て従業員の負担軽減につながるのであれば設備投資を実施したい。今後、キャリアアップ助成金の活用も検討したい。」と話す。同社は、創業当初の文具販売から始まり、時代の変化に対応しながらサービス領域を拡大してきた。地域に密着した存在として現在もその役割を果たし続けている。
(代表取締役 川股隆宏氏)














