賃金引き上げに向けた取組事例
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CASE STUDY 71
賃上げ取り組み事例 -
株式会社群馬中央義肢
義肢装具製造業など
2026/4/23
業務改善助成金の活用により、生産性と品質の向上へ
従業員との密なコミュニケーションとの相乗効果で、技術向上・働きやすさの両立を実現
- 企業データ
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- ●代表取締役:大塚 章史
- ●本社所在地:群馬県高崎市
- ●従業員数:9名
- ●設立:2015年(平成27年)
- ●資本金:1,000万円
- ●事業内容:義肢装具製造業など
今いる従業員を大切に、そして、新たな人材の確保も目指し、賃上げを実施
同社は、2015年に設立され、治療・更生用オーダーメイド製品として、欠損した身体部分を補う生体修復物(義肢)や、生体の機能障害をサポートする装具、装飾性・審美性の向上を目的とした装飾性製品を製造している。
同社は、義肢装具士4名、事務員等5名で構成されており、代表取締役の大塚社長は、自身も義肢装具士として製造に携わる。顧客の多様なニーズにきめ細かく丁寧に応えるために、社長・社員が一丸となって日々ニーズの分析・製造技術の研鑽を欠かさない。中でも大塚社長は、従業員同士、そして社長と従業員のコミュニケーションを特に大切にしているという。その会話では、義肢装具製造において必要な高度な技術や顧客のニーズを分析した情報についての共有を図ったりするだけではなく、仕事や日々の生活についての悩み相談などがなされることもよくあるといい、風通しの良い環境が作られている。
大塚社長は、今いる従業員を大切にすること、そのためには、労働に見合った対価が得られていると従業員が実感できること、できる限り時流に合わせた経済的サポートをして従業員の生活の安定を図ることがとても重要であると考えている。また、義肢装具製造業は、その専門性の高さなどの理由から人手不足が進んでいる反面ニーズは増えている。これらの背景から、同社は、物価高などの経済状況や群馬県の最低賃金額を踏まえた賃上げを実施した。また、新しい人材の確保や、義肢装具製造業界の盛り上げを目指し、初任給の見直しも積極的に行っている。
業務改善助成金を活用し、製造個数増加・残業時間の短縮を実現
同社が作成している治療用装具の1つに、医療用オーダーメイドインソールがある。このインソールは、患者それぞれの足の形・状態をもとに、1つ1つ丁寧に作られるものであるが、従来、静的足底圧データ測定しかできない機器を用いて作成していたため、測定できるデータが少なく、その結果、手作業による仕上げや商品提供後の再調整に時間を要していた。そこで、同社では、業務改善助成金を活用して、機械センサー式フットスキャンシステムを導入した。この機械の導入により、動的測定が可能となったため、これにより得られた詳細で多角的なデータをもとに、より精密なインソールを作成できるようになった。その結果、仕上げや再調整にかかる時間を削減することができ、顧客ニーズにより丁寧に応じることと製造個数増加を同時に実現できるようになっただけでなく従業員の残業時間削減も図ることができた。
(左:持ち運びも可能な、機械センサー式フットスキャンシステム)
(右:動的測定により、より詳細で多角的なデータを入手できるようになった)
技術と生産性の向上・人材育成により、義肢装具業界を盛り上げ、医療・福祉に貢献する
大塚社長に今後の目標を尋ねると、「質の良いものを早く提供できるように、技術の向上と生産性の向上に引き続き取り組んでいきたい。さらに、人材育成にも力を入れ、業界を盛り上げることにも貢献したい。」と熱い思いを話してくれた。
同社の企業理念は、医療・福祉に貢献できる組織作りを行い、技術と理論に基づいた確かなものづくりを継続すること。そして、常に相手の立場で考え、良いもの・確かなものを追求し、提供し続けることである。熱い思いを持つ大塚社長と従業員全員が一丸となって、今日も患者1人1人の思いに、確かな技術で応え続けている。














