賃金引き上げに向けた取組事例
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CASE STUDY 74
賃上げ取り組み事例 -
東京都警備業協会
警備業務の専門的知識に係る事業(警備員教育、資格講習受託、セミナー)、災害対策支援事業、各種広報事業など
2026/4/23
業務改善助成金の活用により会員企業のサポートを目指す
従業員の負担軽減しモチベーションアップ
- 企業データ
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- ●代表取締役:澤本 尚志
- ●本社所在地:東京都台東区
- ●従業員数:20名
- ●設立:1987年
- ●事業内容:警備業務の専門的知識に係る事業(警備員教育、資格講習受託、セミナー)、災害対策支援事業、各種広報事業など
人材確保と労働環境の改善に向けた協会の挑戦
同協会は、昭和62年(1987年)、東京都警備会社連絡協議会が社団法人化され、設立された。同協会は、約1,000社の会員企業(警備事業者)で構成され、「首都東京を守り、犯罪に強い社会をつくること」という使命により、法令遵守の徹底、人材育成、行政・警察との連携を通じて、安全・安心な街づくりに貢献している。
警備業界は今、深刻な人手不足に直面している。現場で働く人を確保するためには、労働環境の改善が欠かせない。賃上げや待遇改善はその中心であり、そのためには取引先に価格を適正に転嫁し、原資を確保することが本来の姿である。しかし、現実はそう簡単ではない。警備業界内の競争は熾烈で、契約を取るために価格を度外視し、安価で受注する会員外の警備業者も少なくない。こうした状況では、賃上げや労働環境改善のための資金が十分に確保できず、結果として人材確保の取り組みが思うように進まないのである。
同協会自身も令和5年度に一度、ベースアップを実施したが、現在は賞与等で還元する形を取っている。さらに、会員企業に対しても「若手人材確保には賃上げが必要」と広報活動を続けている。
業務改善助成金を活用し従業員の負担を軽減
同協会では、警備業務のセミナーや資格取得講習を実施するため、関連資料を作成し、毎月定期的に発送しているが、その印刷枚数は月間約8万枚を超える膨大な量に達している。しかしながら、従来使用していた印刷機は一度に印刷できる枚数が少なく、大量に印刷する際には従業員がつきっきりで対応する必要があり、負担となっていた。
同協会の事務局管理統括の豊田邦子氏は従来から会員企業への助成金周知も行っていたため、業務改善助成金を活用し、従業員の賃金を引き上げるとともに、新機能を備えた大型印刷機を導入することを決めた。
大型印刷機を導入の結果、自動で大量の印刷ができるようになり、従業員がつきっきりで対応する必要がなくなり、加えて高速処理により、印刷作業に要する時間が大幅に短縮された上、資料の視認性が高まり、より見やすく精緻な印刷物の作成が可能となった。さらに、封筒への直接印刷が可能となり、発送準備の手間が軽減された。実際、月間延べ約11時間の作業時間削減が実現され、従業員の負担軽減につながるとともに、労働能率の増進が図られた。
(事務所に設置した大型印刷機)
(助成金で導入した証が張られた印刷機)
業務改善助成金の活用で会員企業の成長のサポートを目指す
同協会の豊田氏は、業務改善助成金の申請手続を労働局と相談しながら進めたが、申請手続で苦労したこともあったという。しかし、豊田氏によると「業務改善助成金を活用している会員企業はまだ少ない。同協会が業務改善助成金を活用しその結果を会員企業に周知することで、会員企業に活用を促したい。会員企業の賃上げ、生産性向上に貢献したい。」という思いもあると話す。
同協会は、「安心安全な首都東京」を作るという使命を持ち、会員企業のために業務を行っている。大人数ではないが、少しでも同協会の従業員や会員企業の負担軽減のために、更なる生産性の向上・労働能率の増進を進めていく。














