賃金引き上げに向けた取組事例
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CASE STUDY 75
賃上げ取り組み事例 -
株式会社MWV
想い出映像等の撮影・編集(映像・音声・文字情報制作業)
2026/4/23
そのままでは届かない価値をかたちに
36協定の上限設定の引下げ及び3%の賃上げを実現
従業員の雇用を守りつつ、仕事の付加価値を高めることを目指す
- 企業データ
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- ●代表取締役:森脇 正文
- ●本社所在地:奈良県橿原市
- ●従業員数:10名
- ●設立:平成4(1992)年
- ●資本金:100万円
- ●事業内容:想い出映像等の撮影・編集(映像・音声・文字情報制作業)
本社社屋内部の様子
そのままでは届かない価値をかたちに
撮影現場に設置されたリモートカメラ
広い撮影現場では、それぞれのカメラを操作するだけで一苦労だった
同社は、前代表取締役の父が立ち上げて以来、VHSの時代から動画制作を請け負ってきた。手がけるものは、幼稚園・保育園の行事などの「想い出」の撮影・動画制作や、行政や民間企業からのプロモーション映像の制作だ。地域密着をモットーに、映像技術を活用し、素材そのままでは届かない価値をかたちにすることを目指してきた。
子どもたちを相手にする仕事も多く、決して多くない従業員数ながら、そのおよそ半分は女性スタッフ。中には、保育士資格を持つなど、子どもに接する現場で、映像制作以外のスキルを活かすスタッフもいるという。
36協定の上限設定の引下げ及び3%の賃上げを実現
同社は働き方改革推進支援助成金を活用して、リモート制御が可能なカメラを導入した。従来は、代表取締役の森脇氏曰く「テレビ番組のカメラマンが持ち歩いているようなゴツいカメラ」を駆使して、”力仕事”の撮影を行っており、特に女性スタッフの負担となっていた。また、撮影画質が安定しなかったこともあり、各従業員の慣れ・不慣れにより、動画の編集作業にかかる時間にばらつきが出ていた。
新たに導入したリモートカメラは軽量である上、配線や三脚等の周辺機材もコンパクトなもので済む。また、高画質での撮影が可能であることなどにより、撮影後の編集作業も効率よく行うことができるようになった。その結果、当日の撮影スタッフに2人必要だったところが1人で済み、撮影の準備・片付けにかかる時間も最大2時間ほど短縮された。他方で、新しいカメラの取扱いに戸惑うスタッフもあり、一部のベテランスタッフしか十分に活用できていない状態となっているため、全スタッフが使いこなせるように技術を磨くことが目下の課題だ。
同社は幼稚園等の行事が相次ぐ秋・冬季が繁忙期。変形労働時間制度の活用など試みるもなかなか残業時間の削減に大きな効果はなかったところ、助成金を活用したリモートカメラの導入を通して、36協定の上限時間の設定を引き下げることができた。また、賃上げを行った場合に適用される同助成金の加算制度も利用し、従業員5名の賃金を3%以上引き上げることで、より多くの助成金を受給することができた。
従業員の雇用を守りつつ、仕事の付加価値を高めることを目指す
森脇 正文氏(代表取締役)
代表取締役の森脇正文氏は、同社の事業の大半を占めている幼稚園等からの映像制作の仕事が、少子化の進行により中長期的に減りつつあると語る。奈良県の地域別最低賃金の上昇を踏まえ、新卒採用者の給与も一定水準を確保するようにしてきたが、従業員の生活を守るためには、今のままではいられないと危機感を滲ませる。「今後は仕事をどう取っていくかが一層重要になってくると思っています。生産性の向上ももちろん、付加価値を高めるにはどうすればいいかを、引き続き考えていきたいです。」
動画編集作業の様子














