賃金引き上げに向けた取組事例
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CASE STUDY 78
賃上げ取り組み事例 -
株式会社マルハ物産
農産物加工食品の輸入製造販売
2026/4/23
生産性向上と給与アップを同時に
業務改善助成金の活用で作業時間を短縮、社内全体の賃上げを実現
未来に向けた提案を従業員から
- 企業データ
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- ●代表取締役:林 香与子
- ●本社所在地:徳島県板野郡
- ●従業員数:55名
- ●設立:1958年(昭和33年)
- ●資本金:5,550万円
- ●事業内容:農産物加工食品の輸入製造販売
(同社の外観写真)
生産性向上と給与アップを同時に
同社は1958年に創業し、農産物加工食品の輸入・製造・販売を営む、歴史ある企業。国内のみならず海外にも拠点を持ち、生産・加工・輸入を一貫して行う体制による高い品質で私たちの食を支えている。同社の主力はレンコンを使用した加工食品。水煮や酢漬けされたレンコンの加工食品は日本全国に出荷され、食卓を華やかに彩っている。
美味しい加工食品を製造するためには、工場での多くの工程が欠かせない。原材料の選別から始まり、茹でる・蒸す、洗浄やパッケージまで、すべての工程で丁寧かつ効率的に作業が行えるよう、工場を稼働する必要がある。加工方法ごとに使用する機械を使い分け、工程ごとに部屋の区分けを行い、複数種類の加工食品を製造する日々。繁忙期には、製品を入れたタンクで広い通路が埋まるほど忙しくなるため、作業効率化を検討し続けている。
また、工場作業に従事する者をはじめ、営業や社内事務の従業員を含めて55名一人一人に還元したい、という林社長の意向もあり、同社では賃上げに向けて前向きに取り組んでいく方針だ。
生産性向上への設備投資と賃上げとを行った場合に活用できる業務改善助成金は、同社にぴったり合致した。
業務改善助成金の活用で作業時間を短縮、社内全体の賃上げを実現
同社における加工食品製造の工程の一つに、原材料の洗浄がある。これまで、輸入した原材料の異物の除去には強力な洗浄機を使っていたが、近年技術の向上により異物が減少。強力だが時間も人手も要する洗浄機から、より短時間で同等レベルに洗浄できる機械の導入が従業員から求められていた。
そこで、同社では業務改善助成金によって当該機器を導入。これにより、従来の機械では一人あたり65分かかっていた作業が、30分に短縮された。「決して安くない機械の導入であったが、助成金を受けた分、賃上げする余地が拡大した」と人事担当は語る。更に、従来の洗浄機においては消耗部品に多くの費用が費やされていたが、新たな機械ではその費用も削減。結果、最低賃金で働く従業員の賃金の引上げを行うだけでなく、他の従業員の賃金も引き上げ、ベースアップをすることにも成功した。加えて、短縮された時間は清掃等の他の作業に割り当てられるようになり、残業時間の削減にも繋がっている。
機械の導入に際しては、林社長も前向きに検討した。従業員の要望が取り入れられ、機械の導入に繋がったことで、当初意見を躊躇していた従業員も、提案すれば変えてもらえるという意識が根付いてきている。従来から業務改善に積極的だった同社において、業務改善助成金による機械導入は従業員の意識改善の更なる追い風となった。
(助成金で導入した洗浄機)
(同社製品(れんこんの水煮)の一部)
未来に向けた提案を従業員から
「和と信用を重んずる」という社訓に違わず、林社長の従業員への信頼は厚く、日々従業員の提案に真摯に耳を傾けている。人事担当においては、5年先まで同社の賃上げ試算を作成し、林社長に今後の取り組みを提案。今回だけでなく、事業状況に応じて各種助成金の活用も検討していくそう。また、工場長は、「加工業における生産性向上には、製造の過程で発生する残渣の活用など、取り組む余地がまだまだある」と話す。目標は工場で働く人が働きやすい環境を作ること。手作業で重労働が多い中、生産性向上のための設備投資による作業効率化で環境改善を試みている。
長く製品が愛され、従業員にとって働きがいのある企業となるよう、同社は今後も、従業員からの提案を取り込みながら賃上げに取り組んでいく。
( 右 )柏木氏(工場長)
( 左 )富樫氏(人事担当課長)














