労働生産性の向上等による賃金引き上げの取り組みなど調査等情報
「お、ねだん以上。」の商品・サービスの提供を通じ、住まいや暮らしの豊かさに貢献してきた株式会社ニトリ。扱う商品の約90%が自社企画の開発商品で、原材料の調達から海外での製造・品質検査、独自の通関システムや物流網による輸入・物流、販売・アフターサービス迄を一貫して自ら行う、「製造物流IT小売業」という新たなビジネスモデルを確立した企業として知られる。一方、2023春季労使交渉・協議を以て注1、「ニトリ総合職社員」の月例給については20年連続、また、「パート・アルバイト社員」の時給についても10年連続で、ベースアップを含めた賃金改善を継続実施してきた企業であるという事実は、余り知られていないのではないだろうか。経営環境に左右されず、着実に賃上げを積み重ねられるのは何故か、株式会社ニトリホールディングスの組織開発室に話を聞いた。
注1) 同社ホームページのPRESSRELEASE「ニトリ総合職で20年連続ベア、月例給最大5.6万円アップ」を参照。
全文へ(労働政策研究・研修機構のホームページに移動します)新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた休業・時間短縮や海外渡航禁止(インバウンド需要の蒸発)を始め、外出自粛や在宅勤務の増加(中食化)、酒類販売(夜間営業)の抑制、少人数会食化など、従来の営業基盤を揺るがすような社会構造・消費行動の変化に晒された外食業界。その市場規模は、コロナ禍前より(一時)3割縮小したとの推計もあり、多くの飲食店が経営ダメージを被った。「長崎ちゃんぽん」等のチェーン店・株式会社リンガーハットも、例外ではない。退店を余儀なくされ(2019年815店→2022年674店)、売上高は大幅に減少し(約469.3億円→約339.2億円)、従業員の離職も相次いだ(正社員:627人→536人、平均臨時雇用者数:4,975人→3,781人)。賃上げどころではない状況に思えるが、同社は昨年、業界トップクラスの賃上げを実現させ、続く本年も、一人平均12,791円(4.14%)の引上げや初任給の大幅増額等を決めた。当に、高付加価値化・値上げ戦略への転換で業績をV字回復させた当時(後述)を彷彿とさせるが、今次の背景にはコロナ禍を逆手に、事業変革やデジタルトランスフォーメーション(DX)等で急速に進化を遂げる同社の姿がある。賃上げを巡る直近の取組状況や今後の課題等について、総務人事チームに話を聞いた。
全文へ(労働政策研究・研修機構のホームページに移動します)作業服や安全靴、手袋、ヘルメットなどプロ向けの作業服・作業用品メーカーとして、そもそも業界を牽引する存在にありながら、その座に甘んじることなく、2014年に客層拡大戦略を打ち出して以降、新たに一般向けの高機能×低価格市場を開拓したと称される、株式会社ワークマン。耐久性や防風・防寒性、透湿性、遮熱性、速乾性、ストレッチ性、冷感性、抗菌性といった機能性に優れるスポーツウェア、アウトドアウェア、女性衣料などPB商品を次々と企画・開発し、自社工場は持たずに海外で生産した商品をすべて買取り、フランチャイズ加盟店に供給して値引き無しの毎日が低価格(EDLP)で販売する、独自のビジネスモデルを確立したことで知られる。増収増益記録を重ねる中で、年収100万円以上の引上げも実現させた。業態変革ビジョンに裏打ちされた年収の大幅アップはどのように成し遂げられたのか、その取組経緯等について同社の広報部に話を聞いた。
全文へ(労働政策研究・研修機構のホームページに移動します)企画、生産、流通、販売を一貫して行うビジネスモデル(SPA方式)で、どんな度数でも追加料金ゼロの薄型非球面レンズを標準搭載し、高品質・適正価格メガネを提供してきた株式会社ジンズ。「Magnify Life(人々の人生を豊かにする)」をブランドビジョンに掲げ、現在ではPC等のブルーライトカットメガネとして普及する「JINS SCREEN」や、心と身体をセルフケア出来るユニークな「JINS MEME」など、メガネを「目の矯正器具」から「機能性アイウェア」に押し上げる、新たな価値観の創造に取り組んできた。そんな同社が昨年8月、全国で雇用する準社員・パート従業員のベース時給の最低水準を、一律1,120円(東京都内店舗の平均水準)に引上げる方針を発表した。食費や生活費等の違いから、大都市圏ほど賃金が高いのは当たり前・・・そんな常識を覆すかのような施策に踏み込んだのは何故か、株式会社ジンズの人事戦略本部に話を聞いた。
全文へ(労働政策研究・研修機構のホームページに移動します)アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」等を運営し、「店長、時給を上げてください!」というCMが印象的なディップ株式会社。2021年12月に、有期雇用労働者の待遇向上を目指す「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」の開始を宣言し、(参画企業案件数94万件中)42万件以上の時給アップ案件を獲得するなどして、その後の一年間で平均時給が9.1%上昇の1,222円と過去最高を更新したという。振り返ると、日銀が2%の物価安定目標を導入した2013年当時も、同社は求人広告を掲載するクライアントに時給アップを呼び掛ける「レイズ・ザ・サラリーキャンペーン」を展開。「バイトル」上の募集求人の平均時給が、一年間で3.9%上昇したことを報告している。高校生や大学生、フリーター、短時間勤務の主婦など、労働組合の加入対象からも除かれやすい有期雇用労働者の願いを代弁し、人材募集段階で時給アップを働き掛けるユニークな取組みは何故、始まったのか、同社の人事総務本部に話を聞いた。
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